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『世田谷コーヒー宣言』 スペシャルティコーヒー専門店カフェテナンゴの公式ブログ

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2013年 07月 18日

首都グアテマラシティへ(2013年中米出張)

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【ドン・アルトゥーロと店主 最後に記念撮影】

夜は8時くらいに夕食。ドン・アルトゥーロとはいつもコーヒーの話題ばかりだが、
今回は日本に行ったとき食べた神戸ビーフの話や、グアテマラの政治の話など
多岐にわたる。

「明日はどうやってシティに帰るんだ?」と聞かれて「リネア・ドラダで」と答えると、
「じゃあ、メシーヤから乗ればいい」「予約は?」と矢継ぎ早に質問される。

自分はウエウエテナンゴの中心部あたりにあるターミナルからお昼頃に乗れば
いいかとゆるく考えていたので、決まっていたものは何もなかった。

メシーヤというのは当然飯屋のことではない。メキシコとグアテマラの国境にある
街。バスはウエウエテナンゴからしか出ていないと思っていたが、メシーヤでも
乗れるんだと言われてみて気が付く。そのほうが近いし、楽だ。

予約はないよと言うと、じゃあ今から予約してやると食事の手を止めて電話をして
くれた。

「11:30発、2名で予約取ったから、名前は私の名前を言えばいい」

前回は、クワトロカミーノスまで車でアルトゥーロが送っていってくれた。そこから
カミオネータでアンティグアまで行った。カミオネータというのはグアテマラの
バスで地方都市同士をつなぐ大切な交通機関。

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【カミオネータ 上に荷物を載せる】

荷物はバスの上に載せて走るので、私のスーツケースも当然上に載せられた。
道中は乗り降りが多く、荷物が盗まれることもあるのでドキドキだ。
自分の見えないところに荷物を長時間置いておかれるというのは落ち着かない。
まあ降りるときに盗まれていても後悔しない程度の荷物しか入っていないが。
カメラやPCなど高額なものを持っているとこういう移動はなかなか難しい。
私はアテンドを付けてグループで動いたりはしない。個人的に自由に、臨機応変に
動くのが好きなので、高額品は持ち歩かない。強盗に全部盗られても最小限の
ダメージで済むようにしている。命だけは盗られないよう、それなりの現金を持って。

明日は8時に朝食、9時に農園を出発という予定になった。

7時に起床。朝食まで時間があったのでベネフィシオ(精製所)の周りをぶらぶらと
散歩していると、ドン・アルトゥーロが来て精製所を案内してくれた。

世界初のシステムを作ったから見せてやると。

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【真ん中の塔に注目】

おお、確かにこれは見たことが無い!!これは発酵タンクの写真。真ん中にある
塔が新しい。発酵によって出来る温度が高く、汚れたガスはこの塔から排出され、
新鮮な酸素を中に供給する役割を持つ。これによってタンクの表面側と底側のパ
ーチメントの均一発酵を促進する。

この農園は、本当に次のこと、先のことを考えて、いつも投資をし続けている。これ
がエル・インヘルト農園がグアテマラのトップを走り続けることができる理由の一つ
だ。この姿勢を見習わないといけないとつくづく思う。

今年はコスタリカにも行ったようでベジャビスタのドン・エクトルにも会ったらしい。
国を超えて優秀な生産者たちの交流が進んでいるようだ。

それが関係あるのかないのか、コスタリカで良く見る乾燥用のビニールハウスを建
設中。天候に左右されない天日乾燥が可能になる。

ここでは通常、天日に3日間程度干した後、乾燥機を使って仕上げをしている。
(40~50℃の熱風を送り込み、乾燥機の中は30℃程度に保つ)

来年のオークションロットは、全て天日乾燥100%にするという。いったいどうなる
のかな?天日乾燥100%というと聞こえは良いが、品質を保証するものでは決して
ないと思う。

パナマのエスメラルダ農園もこのエル・インヘルト農園も天日と乾燥機をうまく使っ
て現在の地位を築いた。乾燥を天日100%にしたからといって品質が上がるという
保証は全くない。

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エル・インヘルトの新しい挑戦だろう。これが成功すれば、新しい付加価値を持った
新しいレベルのコーヒーが生まれる。楽しみに待とう。

エル・インヘルト農園には焙煎所があり、国内向けのコーヒー豆を焙煎して出荷し
ている。

以前はエルメリンドが一人で焙煎していたが、焙煎事業の拡大に伴い、釜をディー
ドリッヒ24キロに変えて、焙煎士も2人増やした。

2年前に来たときは、エルメリンド、アルミンド、イスラエルの3人がブンブン釜を回
していたが、現在は焙煎豆戦略の見直し中で、それほど出荷が無いらしく、この日
はイスラエルが2バッチやっただけで終わりだった。

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アルミンドなんかは、大工もできるので、他で家を作る仕事があると20日くらい農園
に来ていないということだった。

中米では急な仕事の増減に対応できるように、いろいろなことができる人が多いと思
う。1つの仕事を長く続けて高いレベルに到達するというよりは、そんなにレベルは高
くなくてもいいから色々な仕事がこなせたほうがいい。そのほうが、なんとか食べて
いける。そんな考え方。

そういえば、メキシコのホストファミリーのパパも10以上の職業経験があって、その
ときは自動車の塗装をやっていたが、他にもいろいろできる。
「なんでもできれば失職したときに、すぐに仕事が見つけやすいだろ」と言っていた。

予定通り9時に出発。デルマルが工事中のところまで送ってくれて、そこからピック
アップでレポソまで。(5Q)そこからミニバスに乗ってラ・メシーヤへ(4Q)

メシーヤについたが、どこにリネア・ドラダのターミナルがあるのかさっぱり分からな
い。近くの商店に入って、レジの女性に尋ねたら、「この坂を登ったところよ」と。
荷物をもっているならモトタクシーを使ったほうがいいというので、じゃあそうしようと
いうことに。

ちょうど店の前にモトタクシー(トゥクトゥク)が止まったので、すぐに乗ったらその女
性が大声で「3ケツァール以上は払っちゃダメよ!」と叫んでいた。「ありがとう。」

相場が分からないところで料金を教えてもらえるのはとてもありがたい。
こういうこと言ってくれる人がいるってことは、外国人相手にボッタクル運ちゃんがた
くさんいるんだろうなあ。

バックパッカーなら10Qでも多く取られたら大変な出来事だが、今はバックパッカ
ーではないので、時間の方が大切。ちょっとくらい多く取られようが、早く安全に
快適に目的地に着ければ、多少多くとられても気にならない。

ターミナルに着いて、アルトゥーロ名義で予約を伝えると、5と6番席のチケットを
渡された。

ああ、これでウエウエテナンゴともしばらくお別れだ。これに乗ればもうシティだ。

by cafetenango | 2013-07-18 09:54 | グアテマラ(コーヒー)


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